● ZACさん ●
今回は、ドップラー効果。またまた嬉しい話題です。
ドップラー効果といえば、ハッブルです。ハッブル宇宙望遠鏡の名前のもとになっている天文学者。
ハッブルは、天体(といっても銀河系外の小宇宙(銀河)、あの渦巻型のやつ)を観測し、スペクトル型を測定していたのです。そこで、不思議なことを発見。銀河のスペクトル型が波長の長い方(つまり赤い方)にずれていたのです。で、より詳細に研究してみると、遠い銀河ほどより赤い方にずれている(赤方偏移)。つまり、遠い銀河ほど高速度で我々の銀河系から遠ざかっていることが分かったわけです。
遠い銀河ほど高速で遠ざかるということは、ふくらむ風船の表面(中ではなく表面というところがミソ)のように宇宙が膨張していることを示している。これが、ビッグバンによって宇宙ができたという理論の最初なのです。
ところで、これ以前、アインシュタインは、自らの一般相対性理論を使って、宇宙を「記述」していたのですが、この式の中に「宇宙項」という定数を入れていました。実は、一般相対性理論で「素直に」宇宙を記述すると、宇宙は定常ではいられず、膨張か収縮かいずれかの状態にあるのです。
アインシュタインがこれを考えた当時は、宇宙が膨張していたり収縮しているという観測もなく、また、そうであるとは誰も想像すらしていなかったので、アインシュタインは、宇宙が定常であるように、「宇宙項」を式に入れたのです。
ところが、ハッブルの観測と研究によって、宇宙が膨張していることが明らかになると、アインシュタインは、この宇宙項をはずし、「我が人生で最大の過ち」と反省したようです。
理論的に素直に宇宙の状態を式に表していれば、アインシュタインは、宇宙の膨張を理論的に予測した科学者としても名を残したかもしれません(そうでなくとも、アインシュタインが20世紀最大の科学者であるのは衆目の一致するところでしょうけど)。
というわけで、すごく遠い天体も、この赤方偏移(光のドップラー効果)を使って距離を測れるようになっているのです。
ところで、光の速度は有限ですから、遠い天体ほど昔の姿を見ていることになるのですから、最も遠い天体を見つければ、最も昔の宇宙の姿を見ることに近づくわけです。
現在、最も遠い天体は、およそ130億光年のところにある準星とよばれるもので、この準星の正体については、どうも「銀河の卵」ではないかというぐらいしか分かっていないようです。
もう一つ、ウマに乗りにくい桃尻について。
桃尻で有名(?)な戦国大名といえば、今川義元。
本当に桃尻だったかは定かではないが、時代劇では、義元は、騎馬姿で登場しない。いつも輿に乗って出てくる。義元が貴族趣味だったからかもしれないが、本当に桃尻だったからかもしれない。
織田信長は、義元の首実検はしたから義元の顔は知っているだろうが、たぶん「尻実検」はしてないだろう。信長に聞いてみても、事の真偽は分からないだろうな。
★いつもご感想をありがとうございます。勉強になります。(星田)