● ZACさん ●
「四書(現代語訳)」を読んでみようかという方への私評をひとくさり。ただし、私は儒学研究者でも儒学信奉者でもありません。普通に儒学に影響されている日本人としてちょっと読んだという程度ですので、きちんとした参考にはならないと思います。あしからず。
論語:最も易しい。短文が多く、どっかで聞いたことのある文句(四十にして惑わずとか)が出てくる。現代社会でも通じるものすくなくないと思います。サッカーの中田英寿選手の愛読書の一つらしい。四書を初めて読もうとされる方には最初に読まれるのをお勧めします。しかも、きちんと読むより、自分で気に入ったところだけ読めばよいという長所あり。
孟子:論語とほぼ同様で短文が多い形式なのだが、とにかく分量が多くて読むのが大変。四書完全読破を目指すのでなければ、4作の中で最後に回すのがよいような……。
中庸:短い。もともと大作の一部を切り離した著作なので、短いのです。使われている用語の定義を頭に入れて置いたり、出てくるたびに前を読み返したりしないと文意がわかりにくいですが、個人の道徳(儒学的にいえば「修身」)について書かれているので、大学より分かりやすいと思います。全体を通じた論理的な構成になっているので、論語のように好きなところだけ抜き読みはできません。でも、一読後は好きなところだけ読むのもいいかも。
大学:元本は中庸と同じものでこれもその一部を切り離した著作。中庸が修身に関する本であるのに対してこちら国や天下を治めるための本といったおもむき。こちらも全体が一つの論理で構成されているので全部通して読まなければなりません。将来、皇帝になりたい方や天下人を補佐したい人の必読書か?
この私評でわかると思いますが、私は、中庸と論語が好きです。
★う〜ん、どれもむずかしそうな……。(星田)