● 雅美さん ●
クフ王のピラミッドの高さ(h)に当たる長さのひも(約)を用意します。
ひもの一端を固定し、もう一端を持ちます。ひもをピンと張ったまま、固定された一端の周囲をグルリと回ると、半径hの円ができますよね。
この円の円周の長さを求めてみましょう。
円周の算出方法は2πhであり、h=146.7とすると、円周の具体的な数値は
921.742506……
てな具合になります。
ちなみに、ピラミッドの底面は正方形で、1辺の長さが約230mとありましたから、その周囲は、
4×230=920
となります。
なんとな〜く、近い数値になってきたと思いませんか?
でも正四角錐のピラミッドに、なんで「π」が登場するんでしょうか?
現代のメートル法で測量すると、ピラミッドの高さは半端な数値になりますが、古代エジプトで用いられていた寸法単位だと、かなり「チョッキリ」した数値になるのだと聞いたことがあります。
その寸法単位が何という呼称で、メートルに直すとどの位になるかは、きれいさっぱり忘れてしまいましたが。まぁ、ここでは仮に、ピラミッドの高さは「100エジプト」としておきましょう。
マラソンの42.195kmを計るのに、棒の先に車輪の付いた距離計を用いるのはご存じでしょうか? なんとな〜くそんなものを見たことはおありかと思います。
半径が1エジプトの円盤を作り、この円盤を用いて上記のような距離計を作ったと仮定してみてください。
この距離計を用いて、周囲が車輪100回転分の正方形を作るには、1辺が車輪25回転するまで直進し、そこで90度曲がって更に25回転、更に曲がって……とやることになります。
このときの正方形の周囲は200πエジプトとなり、1辺は50πエジプトとなります。
地面の上で50πエジプトの長さのヒモを4本使って正方形を作るより、この方法の方が装備が簡便だと思います。
しかし、これが地面に対して垂直方向だと、車輪コロコロ作戦はかえって不便であり、巻き尺や定規の方が使いやすいのではないでしょうか?
「正方形は車輪コロコロが100回だったから、高さも100を基準として、100エジプトとしてしまおう。」
このような感じでピラミッドを作ったのだとしたら、現在残っているピラミッドの寸法比率の謎も見えてくるのではないでしょうか?
何らかの意図があって、あの形なのではなく、測量しやすい方法ばっかり使って作ったら、あの形になってしまっただけなのかも知れません。
砂をサラサラと自然に落とした時にできる山(砂時計の下側のガラス内にできる砂山)と同じ形だとか、側面が正三角形であるというような話はいろいろとあるようですが、私はこの「車輪コロコロ作戦」説を支持します。
もちろん、この説は私が編み出したってぇワケではなく、本だかテレビだかの「ウケウリ」なんですけどね。
★ピラミッドって不思議がいっぱいですね(星田)