● maroさん ●
》 ◆音階が1オクターブ上がると、振動数はちょうど2倍になる。うまくい
》きすぎていて、不思議だ。
という文章がありましたが……。
ちなみに、むかしむかし「音階」が考えられたころ、「ドレミファソラシド」と振動数の関係には、
「ドとオクターブ上のド=1:2」
「ドとソの関係=2:3」
「ドとファの関係=3:4」
「ドとミの関係=4:5」
「ドとレの関係=8:9」
「ドとラの関係=3:5」
「ドとシの関係=8:15」
という整数比の関係がありました。
これは、「整数比だと、2つの音の波形の『山』と『山』・『谷』と『谷』が周期的に重なる」ので、「2つの音が気持ちよく重なる=調和する=ハモる」ためです。
で……、こうして「ドとソはハモる」「ソとレはハモる」「ファとドはハモる」「シ♭とファはハモる」とか、「ドとミとソはハモる」「ソとシとレ
はハモる」「ファとラとドはハモる」とか、あるいは「レとファ#とラはハモる」とか洗い出していくと、概ね「12個の音」で音楽が表現できることが判りました(この音階を『純正率』といいます)。
ところが、この方式だと、特定の和音において「ウルフ
wolf」と呼ばれる著しい不協和音を生じることがあります。また、すべての長・短調が自由に使用できないという不都合が生まれます。
たとえば、純正律のトの音とイの音は、ハ長調のソとラの場合は9:10であるのに、ト長調のドとレの場合は8:9になってしまいます。微妙に異なった音になってしまいます。
これでは、「ハ長調」とか「ト長調」とか、調子が変わるごとにチューニングを変えなければならないということになります。
そんなことはできない……ということで、「12の音があるのなら、12等比で振動数を決めてしまおう」というわけです。
このように「1オクターブ=1:2」の間を12乗根比で刻んだのが、今の音階『平均率』です。
で、最初の「整数比の音階」を、この『平均率』に当てはめてみると「ドとレの間」「レとミの間」「ファとソの間」「ソとラの間」「ラとシの間」は概ね「刻み2個分」あり、「ミとファの間」「シとド」の間は、概ね「刻み1個分」しかないのです。
というわけで、「刻み2個分=全音」「刻み一個分=半音」で、ピアノの鍵盤の「ミとファの間」「シとド」の間には黒鍵がないのです。
余談ですが、私、ギターを少々やっております(といっても、コードを掻き鳴らす程度ですが……)。
で、普段は、「ハーモニックス」という手法でチューニングしていました(ギターの「ハーモニックス」とは、弦に軽く触れて、倍音のみを鳴らす方法です)。で、「6弦の4倍の音と、5弦の3倍の音を、同じにする」なんて方法で、チューニングができるのですが、この方法でチューニングすると、「カポタスト」を使ってキーを変えたときに、和音が微妙に濁るんです。
先日、「チューニングメーター」を使用してチューニングしたら、「カポタスト」を使ってキーを変えても、和音が濁りませんでした。
ハーモニックスによるチューニングは「整数比(純正率もどき)」。チューニングメーターによるチューニングは「平均律」。実感しちゃいました。
★文章だけで説明するのは、とてもむずかしいですね。音を伝えられたらいいのになぁ。